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2008年1月 1日 (火)

あぜ豆を植える心

大晦日以来の大雪が、北アルプス山麓を覆い、森羅万象のうちに2008年が明けた。

2000年から始められた改革の中で規制緩和を始め改革が押し進められ、その結果残念にも地域格差や所得格差が生じている。明治維新以来、じっくりと欧米の制度を温めながら、熟成してきた制度が、国際化や少子高齢化が進行する中であらためられた。そのプロセスでは、残念なことに改革された後の姿を指し示すことなく、十分な検討が行われないままに、「改革」という名のもとに競争社会を是として規制緩和を始め、アメリカ合衆国化してしまった。そしてその波紋が、各方面で如実に現れた2007年だった気がする。

結果格差は広がり、中産階級が社会を構成していた日本社会はもろくも崩れ、アメリカ合衆国に次ぐ世界第2位の貧困をかかえた国となってしまった。

高速交通網が整備された地域は勝ち組となり、残されたより不便な地域は、雇用の場がなくなり、生活の収入が得れず、どんどん過疎になり限界集落といった地域崩壊が進んでいる。また低所得者がわずかな生活費ほしさに犯罪を引き起こす事件があとを絶たなくなってしまった。

「財政が厳しいから、公共投資はできない。もう投資はすべきでない」といった意見が連日のようにテレビのキャスターから話され、公共事業を受けることが何か罪のような風潮を創ってしまっている。結果過疎地域の弱者雇用の場を奪っている現実。

脳溢血で倒れた住民が、倒れてから専門医まで救急車で3時間以上もかかる里山地域も多く、この日本に住み、森や山を守りながら、同じ税を納める者への一定の公平な行政サービスを受ける権利など全く片隅に寄せられている。

現在 日本は778兆円の赤字を背負っている。先進国中で債務残高とGDP比の比較では148%と最も高く、アメリカ合衆国62%、イギリス47%、フランス74%、ドイツ69%、スウェーデン50%と比較してダントツに悪い。

その上、国の自立度のバロメーターである「食料の自給率」では、カロリーベースで日本40%、合衆国128%、イギリス70%、フランス122%、ドイツ84%、スウェーデン84%。国民の生活の源となった「エネルギーの自給率」は、日本18%、合衆国71%、イギリス96%、フランス50%、ドイツ39%、であり、他国に依存する比率を少なくするために、各国とも相当な努力を傾け、将来のもしもや国民生活の安心安全に勤めているが、日本はいまいち強い指導力が目に見えてこないと申し上げざるを得ない。

果たして現在の日本の政治はどうであろうか。視聴率稼ぎの目の前の喜怒哀楽に視点を置く一部のマスコミなどに乗せられ、国の行く末を見ることなしに、ゴシップや重箱の隅の議論に勢力をかけていて、大切な国家100年の計にたった政策の実行がおろそかにされている気がする。

昨年20年度予算の意見交換会で、財務省の予算を組む課長さんや係長さんと意見交換を行ったとき、「消費税を導入したら何%で何年後にはヨーロッパ並みの債務残高とGDP比60%台(財政の安定指標)に行き着くか」と質問すると10~15%で2030年には到達するだろうという答えであった。ちなみにイギリス17.5%、フランス19,6%、ドイツ19%、スウェーデン25%、中国15%、日本は5%である。

ただ忘れてはならないのは、ドイツにしても北欧諸国にしても消費税をただ価格に乗せるのではなく、ジュースで例を引けば、容器に工夫を凝らし軽くしたり、分量を減らし、消費税を上げる前と同価格で提供するなどして国民の増税感を無くす努力を傾けている。また消費税の使われ道をしっかりと国民に説明し、ゴミ対策費の回収費(デポジット)も含め、価格構成を理解していただくための説明責任が徹底していることを付け加えなければならない。

政治家の勇断が変革の時代は何より必要である。消費税を導入して国民から総すかんを食った竹下内閣。当時の日本の財政状況など国民への説明責任が十分であったかは別にして、今日の長野県の財政を見ても5%の内わずか1%を半分づつ受けとる都道府県と市町村にとって、将にありがたい収入源となっていることは事実である。

政治家が国民に対して耳に優しいことばかり述べていたのではこの時代は乗り切れない。

この文章を認めている間に、昨日来の絶え間のない雪はうそのように上がり、驚くことに柔らかい新春の陽がさしてきた。

庭に出て、深呼吸しながら、今年はずっと最も大切にしてきた「あぜ豆を植える心」を具体的に実行し宮澤敏文流のやり方で、こことみに増えてきた遊休荒廃地を再び美畑に変える汗をかくこととした。夏の暑い日でも、わずか30kgほどの体重で、天秤棒を担いで農作物に水をくれていた祖母の背中を思いをながら、この雪に初夢を重ねる。

             「大雪に 希望をのせる 陽があたる」 星辰

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